昨年後半からの世界経済の急落により打撃を受けた企業の人材採用意欲は大きく低下した。キャリア採用を停止し、新卒採用も抑制となる企業が多い中、内需型の中堅企業を中心に不況下こそ優秀な人材獲得のチャンスと見て積極的な採用に動いている。積極採用企業の動向を探った。
景気急落で採用計画を見直し
2010年3月卒業予定の大学生・大学院生を対象とする企業の選考活動が本格化している。日本経団連の倫理規定や大学側からの申し入れにもかかわらず、すでに昨年末から一部の企業では実質的な採用面接がスタートしており、内定を得た学生も出ているようだ。
一方で、昨年後半からの世界経済の急落により打撃を受けた企業は、採用計画の見直しを余儀なくされ、採用計画人数の決定が大幅にずれ込んだ企業も多い。
09年新卒採用は、求人倍率2.14倍(リクルートワークス研究所調査)を記録し、前年に比べ質を重視した「厳選採用」が進んだものの、学生有利の「売り手市場」であった。しかし、不況に突入した昨年秋以降、学生の内定獲得は難しくなり、厚生労働省が2月1日時点で調査した09年新卒内定率は86.3%と5年ぶりの悪化に転じている。
雇用調整を急速に進めた結果、1月以降に希望・早期退職者を募集した上場企業はすでに81社(3月9日時点、東京商工リサーチ調査)という状況だ。また、厚労省は1月に採用内定取り消し企業の社名公表の指針を出した。3月23日時点で全国のハローワークが確認しているだけで、内定取り消しは1845人(404事業所)に上る深刻さだ。
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