「お父さん、眠れてる?」。自殺対策強化月間の政府広報の一環として、今年3月に流れたテレビコマーシャルだ。3万人を超える我が国の自殺者のうち、企業に勤める人は約9000人。政府の労働災害防止計画は、「メンタルヘルスケアに取り組んでいる事業場の割合を50%以上とすること」を目標としている。企業のメンタルヘルス対策の現状と課題を取材した。
大手企業で
取り組み進む
厚生労働省の2007年労働者健康状況調査結果によると、仕事のストレスが「ある」と回答した労働者は約6割。「職場の人間関係の問題」(38.4%)、仕事の質の問題」(34.8%)、「仕事の量の問題」(30.6%)が上位に入り、職場で悩むビジネスパーソンの姿が浮き彫りになっている。
そうした労働者の実状に対し、企業の取り組みはどの程度進んでいるのだろうか。心の健康対策に取り組んでいる事業場の割合は約3割(2007年労働者健康状況調査結果)。従業員1000人以上の企業では9割、100人以上のすべての規模で6割を超える。
取り組み内容は、「労働者からの相談対応の体制整備」(59.3%)が最も高く、次いで「労働者への教育研修・情報提供」(49.3%)、「管理監督者への教育研修・情報提供」(34.5%)の順となっている。
グループ従業員7万人を抱える大手IT企業では、従業員の健康確保の視点を、従来の「診療」から「予防」に大きく切り替えている。仕事のストレスによる健康障害を防止するため、脳血管疾患や虚血性心疾患を防ぐ「身体のマネジメント」と、うつ病や統合失調病を防ぐ「心のマネジメント」に取り組む。
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